留学あきらめな医

英語力ない!コネもない!けど臨床留学した外科医の奮闘記

論文

医師として頑張っている成果は、論文でしかはかれない。と誰かが言っていた。

確かにそうかもしれない。内科医のことはよくわからないけど、外科医として一番大事なのは手術だ。しかし、手術は自分が望もうと、上が与えてくれないと手術をする機会はやってこない。そして、自分の手術の成績を発表するほどの数なんて到底できない。自分が手術の責任者になるまでは。最近ではyoutubeで自分の腕を披露している外科医もいるが、これは業績とは言えないし、全然分からない人から見たら、ふーんくらいにしか感じないと思う。

とすれば、自分たちがこれでどうだ!と誰が見てもわかる業績としては、手術以外のことになる。その一つが論文。他には専門医の資格だったり、学会発表とかもあげられるかもしれない。

 

通常、自分くらいの年齢になると、みんな専門医は取得しているわけで、ここでは差がつかない。となると学会発表と論文ということになる。

しかし、これも誰かが言っていた。学会発表10回するよりも、論文1つ書くことのほうがすごいことだと。そして症例報告10例書くよりも原著論文1例書くほうがすごいことだとも。

 

ふむふむ。

 

そんなことを真に受けて、一時期学会発表を2-3年全くしない時期があった。かといって論文をかいたわけでもないので、何もしなかっただけになるわけだけど。

 

論文は、書けと言われて書けるものでもないし、書こうと思っても書けるものではない、と思う。何を書けばいいかもよくわからないし、どう書けば良いかもよくわからない。良い指導医に巡り合えている人は、手厚い指導を受けて書いていたり、あるいはほとんど上司が書いたというような論文もあったりして、非常にうらやましくなる。

自分は全くそんな環境にいないので、なんとか頑張るしかないわけだけど。これが全く進まない。驚くほどに。書けば書くほど、何を書いているのかよくわからなくなってくる。なんだかつじつまが合わなくなってきて、introductionを変えてみたり、discussionを変えてみたり。そうすると結論も変わってきたりして、何が何だか分からない。

と文句を言っていても書けるようにはならないので、何とか書くしかない。

今5年前に書いたけどrejectくらいすぎてお蔵入りしていた論文を何とか頑張って訂正している。5年前に書いた文章はあきれるほど稚拙で、よくこれで出そうと思ったなと思うひどい内容。もし自分が上の立場で後輩がこれ持ってきたら、ごみ箱へぽいってしてしまいそうな論文である。そのときはめっちゃうまく書けた!って思ってたはずなんだけどな~。でもそう思えるってことは少しは進歩しているのかもしれない。

出せる論文全部出して、文句ない業績にする。

頑張ろう。