留学あきらめな医

英語力ない!コネもない!けど臨床留学した外科医の奮闘記

160日目

今日からもう一人フェローが来た。何歳か分からんけど見た目はけっこういってそう。すでにindependent surgeonとのこと。MICSを経験しに来たらしい。L先生同様に1か月いるとのこと。

せっかくI先生が帰国中なのに、症例シェアしてと言われたんだが。

なんでやねん。この人たちは1か月終わったら自分たちの病院で好きに手術できるから良いけどさ、俺たちは違うやん。この1か月をとっても、違う働き方してるわけで。立場も違うやん。MICSだけ入るなら良いけどさ。それなのにこの人たちに手技を譲らなきゃいけないのは嫌なんだけど。

 

こいつらがいようと、いまいと、俺には関係ないスタンスで行くつもり。入りたいなら入ればいいし。

 

MICS-OPCAB-3 (LITA-LAD, RITA-SVG-OM-PD) ボス執刀

自分と2人のフェローとボスが参加。人多すぎるだろ。SVG採取。それからはいつもの見えない手技を頑張ってみる。全然見えないなーと思って気を抜いていたら、LITA-LAD吻合を途中からやらせてくれた。L先生が糸ひいたりしてくれたんだけど、すごくやりづらかった。助手とかあんまりしないのかな?でもflowは良さそうだったので良かった。MICSだからといって難しさはあまりなかった。吻合というよりは視野づくりが大変なんだと思う。

 

Redo MVR ボス執刀

この症例も、自分と2人のフェローとボスが参加。このフェローは別にこの症例入らなくていいだろ。なんで入ってきたん?邪魔だわ。

自分が第一助手のところで手伝っていたら、胸骨切開するときになぜかボスがこっちに来てと。ボス側に行って、この感覚な!と胸骨裏の剥離がどれだけ出来ているかを確かめさせてくれた。ただ、それで終わったのは良いんだけど、すでに第一助手のところには2人のフェローが陣取ってて、帰る隙間がない。ふざけんなよと思いっつ、まあMVRだから横で見るかとボスの横で陣取った。

第一助手の位置には今日から来たT先生。この人、全然ここのやり方分かってないくせにどんどん勝手に進めようとするし、自分のやり方でつっぱしろうとして非常に迷惑。ボスだから怒らないけど、他の人だったら怒るんじゃないかな。というか失礼。全然上手くないし。嫌いやわー。

ボスが上手いこと剥離してくれて、気を使ってか、カニュレーションしてねと。ということでカニュレーション。心停止したら交代。弁の切除をメスで周りの組織ごと切っていた。こんなことしていいのかなと思ってみてたけど、これが一番速いからこのやり方でやってるとのこと。半周くらいも代わってやらせてくれた。パンヌスで弁葉が動かなくなっていた。弁置換の糸かけも途中やらせてくれようとしたけど、ちょうと裂開してるようなところが出てきたので全部ボスがやった。その後の弁への糸掛け、縫着はやらせてくれた。左房も閉じた。でデカニュレーション。ただ、途中で急に右室の側面の多数から出血。右室が瘤みたいにぶよぶよになっていた。のでそこでボスと交代。フェルトやらパッチやら使って何とか止血できた。最初左室破裂かと思ったけど左室は綺麗で右室だけあんなことになるなんて。何が原因かは分からなかったけど、自分なら途方にくれそうな状態だった。無事ICUに戻って出血も問題なさそうだから良かった。

 

最後に、1例ずつ症例シェアしてねってまた言われたんだけど、どうなんだろ。1例ずつって、I先生がいるときより症例減るんだけど。なんでやねん。